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ダキュネスは見た目と同じように、天然なおっとりとした少女だが、怒らせるとライナ以上に怖いらしい。
「全く、フェルは!人がせっかく起こしてあげてるっていうのに」
むしゃくしゃする気持ちを押さえずに、教室へと入る。
勢いよく開いたドアが、激しく音をたて、周囲の人を振り向かせる。
周りの視線など気にせずに、すたすたと歩きすました顔で席に着いた。
「ライナちゃん、待ってってば~」
「ダキュネス、大丈夫…?」
なぜか、肩で息をしているダキュネス。
ライナは無意識の内に、相当なスピードで走るように歩いていたらしい。
「うん…大丈夫…」
一度大きく深呼吸をして呼吸を整える。
毎朝のようにこんなことがあるが、相変わらず起こったライナのスピードにはついていけない。
自分は怒らせないようにしよう、と心に誓うダキュネスだった。
「ライナ!悪かったって!!」
再びドアが開き、フェル、その後ろからナイルアが入ってきた。
「オレが悪かったから、機嫌なお……」
「フェルくぅ~ん!!!」
何者かに抱き付かれて、身動きが取れなくなる。
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