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コツン………
小さな音が突然聞こえた。
びっくりして2人が振り返る。
しかし、何も居ない。
ほっと胸を撫で下ろし、再び歩み始めた。
コツン………
また小さな音…。
2人は顔を見合わせた。
「何の音……?」
「わかんない…なんか、怖いよ…」
ひゅうぅぅと吹き抜ける風。
2人の体に恐怖が襲う。
頭では理解できない何かが、今起ころうとしている。
体はそれを感じ取っている。
顔を見合わせる2人。
そして、一目散に駆け出した。
マテ………
不気味に響く声。
足を止めゆっくりと振り返った。
「「きゃーっっ!!」」
視界に入ったのは、黒い身体の不気味なもの。
鋭い牙、尖った爪、巨大な体、長いしっぽ。
そして、鈍く光る瞳。
紛れもない魔物だった。
「に、逃げよう……」
かろうじて、言葉を発する。
恐怖で体が震えている。
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