1.光の妖精騎士

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隣にいる女性の手を引くが、動く気配がない。 「いや…まだ、死にたくない……」 ガクガクと震えながら、目の前の魔物を見つめていた。 見開いた目からも、恐怖が感じられる。 「私だって死にたくない!早く、早く逃げよう…」 ズシン… 魔物が一歩ずつ前に進み、2人との距離が次第に狭まってくる。 震える2人を見ながらにやりと笑う。 笑った口元から見える尖った牙。白く輝くそれは、目の前の獲物を楽しみにしているようにも見えた。 「あぁ…あぁ……」 声にならない叫び声が流れ出る。 早く逃げなきゃ、でも体が動かない。恐怖で固まってしまっている。 魔物が手を上に上げた。 つきの光に照らされ、長い爪がきらりと輝く。 そして、2人目がけて一気に手を振り下ろした。 「「いやぁぁぁーっ!」」 叫び声をあげ、目をぎゅっとつぶる。 「……シャイン・ショットっ!」 どこからか光の玉が現れ魔物の腕を打ち落とした。 「間に合った?みたいね」 声のしたほうを見ると、金色の杖を持った少女がいた。
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