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その少女の姿は、白い長袖の上着に白いスカート、そして白いブーツ。所々に金色のラインや模様が入っている。
オレンジ色の髪は、右側の高い位置で白い布でくくられていた。
建物の屋根の上に立っている少女は、2人に杖を向けた。
「光よ、盾となりかの者達を守れ―ライトシールド」
杖から飛び出した淡い光が、ドーム状になり2人を包み込んだ。
「これでよし。さてさて」
下にいる魔物に目を向ける。
光の玉で打ち抜かれた箇所を抑えうずくまっている。
そしてそのまま少女を睨み付けた。
怒りの眼差し。どうやら、先ほどの攻撃が少女の仕業だと理解しているようだ。
『どーする、ライナ。お怒りだぜ、あの魔物』
少女の胸についたブローチから少年の声がした。
まずい状況を告げているはずなのに、のんきな口調は場の雰囲気に明かにあっていなかった。
「フェル、どうもこうも、決まってるじゃない」
魔物に杖を向け、ニヤリと笑う。
「とりあえず…倒せば良いんでしょ」
『ははは、そーだな』
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