『神様と河童の初めてのクリスマス』

11月後半くらい、その日も私は雛の家に来ていた

何か特別なことをするでもなく、いつものように雛と一緒に過ごしていた

もちろんそれだけでも十分すぎるほど幸せだし、楽しかった

そしてその日の話題は、里の噂から耳に入ってきた『クリスマス』というもの

「ねぇ雛、クリスマスって知ってる？」
「くりすます…？いいえ、知らないわ」

やっぱり雛も知らないのかぁ

「なんか、12月25日にお祝い…なのかな？パーティーをするみたいだよ」
「お祝いね…なんのお祝いなのかしら」
「ん～、何だろうね。でも人間が一斉に祝うことなんだからそりゃすごいことなんじゃないかな？」

実際にどんな祭りなのか、ほとんどよくわからない
噂を聞いただけだしね