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~葵Side~
なんで…隆也が…ココニ…?
『なん、で…ココ、知って…』
「なんでって…お前が、教えてくれたから」
教えた…?
ウチが?
いつ?
「…っハァ…よかった…見付かって…探したんだぜ?お前のこと」
よく見れば肩で息をしていた
『っ嘘…だ…!』
「嘘じゃねぇよ…」
『嘘だっ…』
「嘘じゃねぇ」
『嘘っ!』
「嘘じゃねぇっつってんだよ!!」
言い争いをしていると、隆也が叫んだ
そして、悲しそうな顔をして、言葉を放つ
「なぁ、なんで、信じてくんねぇの…?」
『っ!…て……………から…………』
聞き取れなかったらしく、聞き返してきた
「ぇ?」
『だから、隆也が雪羽のこと見てたからっ!!』
「はぁ…ンだよ…」
ぇ……あき、れた…?
と、思っていると
隆也に抱き着かれた
『たか、や…?』
「お前は、勘違いしてるよ…俺が見てたのは、その隣にいた彼氏のほうだ」
っ?!
ぇ…じゃあ、ウチは…
っ最低……何、勘違いしてんだろ……
『ごめん、ね…隆也……ごめんっ…』
隆也に抱き着き、泣く
「葵…もぅ、急に、いなくなったり…しないで、くれっ……」
(たか、や…?)
隆也は肩を震わせ、ひそかに泣いていた
私は隆也から一旦離れ、隆也を正面から見る
『隆也……泣か、ないで…?…ごめんね…隆也…ごめん…ごめんなさい…』
語尾がだんだんと小さくなる
「謝るな…ょ……ッ…謝るのは…俺だ……ごめんッ…」
なんで、隆也が謝るの…?
悪いのは、ウチなのに……
『謝らないで…隆也が、謝ることじゃ、ない………………おねがぃ……抱きしめ、て…?///』
隆也は顔を真っ赤にしながら優しく抱きしめてくれた
そして私は隆也の腕に顔を埋めて静かに涙を流した
(ごめんね、隆也…有難う)
(バカ、謝んなよ…)
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