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「案内は私がやろう」
メイが名乗り出た。
「そんなことをメイさんがやらなくても…………」
「いや、少しこいつと話したいこともあるし、それに新たな依頼とかが入ってくるかもしれないだろ?」
「それはそうですけど……」
「じゃ、決まりだ。部屋の鍵をもらうぞ」
柊茜から鍵を受け取ったメイは、ハルトを連れて奥の階段へと向かった。
上の階はもはや普通のマンションと何も変わらなかった。
そこの階段を上がりながら二人は話を続けた。
「先程の話に出ていたのが…………」
「そう、魔法生物さ。今まで15体が確認されている。うち5体が倒され、1体が捕縛、残り9体は消息を絶っている」
「捕縛されたっていうのは……?」
「雷虫だ。何も知らないやからが放電しながら飛ぶ虫を見たら驚くだろ。雷虫はもともと他の生物に対して攻撃しないから捕まえられたのさ」
雷虫。
全長30センチにもなる巨大昆虫。
名前のとおり、常に電気を帯びており、触れたものを痺れさせる。
デオブロマでは最も一般的な魔法生物で、どこにでも棲息している。
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