第1章 異次元からの訪問者

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「捕獲された雷虫はどうなってるんです?」 「柊茜の弟が育てながら研究してるぞ。――そうだな。一度奴には会わせておこう。驚くぞ」 「じゃあ会ってみましょうかね」 ハルトは微笑みを浮かべて答えた。 柊茜の弟の部屋は、4階に在り、ハルトの部屋の隣だった。 メイがドアの脇に備え付けのインターホンを鳴らす。 セトラスにきて時間の浅いハルトにとってはそういうものでさえ未知のものだった。 「今いきまぁーす」 少し低めの声がし、その数秒後、ドア口に一人の少年が出てきた。 背格好から見て、ハルトと同年代であろうことが予想できる。 髪は寝起きなのか、ボサボサで、眠たそうな顔にちょこんと眼鏡が乗っていた。 「あ……メイさん。どうもです」 「相変わらず眠そうだな」 「ついさっきまで寝てたもんで……」 「あまり昼夜逆転の生活するなよ?一応お前は学生なんだから」 「考慮しときます……ところで、そちらの方はどなたっすか?」 「あぁ。今日からお前の隣に住むことになったハルトだよろしくしてやってくれ」  
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