第2章 獣達の挽歌

6/16
前へ
/47ページ
次へ
「そりゃやばいな…………早く追いかけないと……!!」 ハルトは急いで着替え、出かける準備をし、初級魔術“フォローウィンド”を使ってダッシュした。 「へへ……そうだな。1体しかいないから、お前みたいに誰か魔法が使えるやつがいれば勝……………っともういないのか」 マダハリー・クェイストは霊体であるという利点を使い、その場で一回転をした。 回転し終わったときには先程とは打って変わり、シリアスな表情になっていた。 「…………」 腰に手をあて、考える。 「やはり…………やつらなのか……?いや、それにしては手が込み過ぎている……」 彼女の頭には1万2千年前の出来事が思い出されていた。 繰り返される惨劇。 終わることのない憎しみの連鎖。 それらが蔓延っていたあの時期を。 「ま、考え過ぎかな…………」  
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加