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「いた……!」
ハルトの50メートル先で、ケロベロス・タイガーと柊茜が対峙していた。
3体のケロベロス・タイガーは、低く唸りながら柊茜の周りを周回している。
彼女は、3体を警戒しながら相手が仕掛けてくるのを待っていた。
ハルトは、そのまま屋根の上から登場、という感じにするのは流石にまずいと思い、途中から下に下りて道路を通じてその場に駆け付けた。
「大丈夫ですか!?」
「これが大丈夫なように見える?」
「ですよね……」
声をかけたことにより、3体のうち1体がハルトのほうに向き直った。
すでに臨戦状態。
いつ襲い掛かってくるかわからない。
(どうする?セトラスの人間の前でおおっぴらに魔法を使うのもよくない。サクセッサーの格闘術が使えれば問題ないのに……)
ハルトの出せた結論は、風走を使ってのアマチュア度に溢れた肉弾戦することだけだった。
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