1709人が本棚に入れています
本棚に追加
千花「伊織ー!!!!」
伊織「…千花。」
卒業式もあっという間に終わってしまい、私は一人であのタイムカプセルを埋めた木の下に来ていた。
あと1時間もすれば、慶吾はこの町からいなくなってしまう…。
昨日まで、当たり前のように一緒にいた友達が、仲間が…好きな人が…いなくなってしまう。
"ずっと一緒にいたい"
そう思っていたはずなのに…私は慶吾の姿を見ていられず、一人逃げるようにここに来たのだ。
千花「探したよ…何してんの?こんなとこで。」
伊織「ん…なんか、なんとなく来ちゃって。」
タイムカプセルを埋めたあの日ーー…
つい最近のことなのに…ずっと昔の思い出のように、頭の中を巡る。
浮かんでくる慶吾の笑顔…明日から、もう見れないんだ…。
私は自然に溢れてきた涙を隠すように、千花に背を向けてその木を見上げた。
千花「…伊織は…慶吾のこと好きなの?」
.
最初のコメントを投稿しよう!