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慶吾「卒業式終わったらすぐ…」
そう言うと、再び長い沈黙が訪れた。
横を見ると千花が泣いてる。そして直哉も…直哉も必死に涙を堪えていた。
私はまだ、現状をのみこめないでいた。
慶吾が行ってしまう?
信じられないよ…。
だって私達は、一緒に卒業して、同じ中学高校行って…大人になっても、ずっとずっと一緒にいるんでしょ?
慶吾…冗談だよね?
伊織「…慶吾。」
私は恐る恐る顔をあげ慶吾を見ると、慶吾の目からは一筋の涙が流れていた。
ああ…冗談なんかじゃないんだ。
慶吾の涙を見て、これが現実なんだって…受け入れなくてはいけなかった。
東京なんて、新幹線を使えば2時間くらいで行ける距離。
だけどこの時の私達には、とても果てしない距離に感じていたんだーー…。
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