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『そうか、なら私もしっかりプレゼントを貰わないとな。』
『貰う事しか考えてないの、あんた。』
その話を聞いた魔理沙がいつもの調子で言う。
それに対し、霊夢が間髪入れず、魔理沙に突っ込みを入れる。この二人はいつもこんな感じで変わらないなぁと思う。
『流石に私も其処までろくでなしじゃないぜ。ちゃんとプレゼントはするさ。』
『誰によ。』
『教えたら楽しみじゃなくなるだろ…。』
けち、と霊夢は魔理沙を小突く。
魔理沙はお返しとばかりに箒の先で霊夢を突っつく。
そのうち弾幕ごっこに発展しそうである、なんとも物騒な話だが。
魔理沙は誰にプレゼントをすろのだろうか。霊夢はなんとなしに言っただけだろうけど、私はとても気になった。
私だろうか。それともパチュリー?フランドールかもしれないし、霖之助さんかもしれない。もしかしたら私が知らない誰かの可能性もある。
私が思考の海に沈んでいる時、早苗が私に声をかける。私は思考をそこで停止させる。
『アリスさんは誰かにプレゼントするんですか?』
『えっ、そうねー…。しようかなーとは思ったけど…。』
『お、誰にするんだ?』
霊夢と戯れながらも聞いていたのか、魔理沙が話に割り込んでくる。
ていうか、自分は教えないのに人には聞くのね。
『自分が話してないのに、人に聞くのはずるいわよ。』
『うー…アリスのけち。』
『そのままそっくりあんたにお返しするわ。教えたら楽しみじゃなくなるんでしょ?』
魔理沙がむーと唇を尖らせる。
その後ろから霊夢がお払い棒で頭を突っつく。…突っついたと思ったら一定の間合いを取っていたが。
魔理沙は流石にカチンときたのかミニ八卦炉を構えて、霊夢の方へと走っていく。
ああ、確実に弾幕ごっこになるなぁ。
一先ず、私と早苗は安全な場所に避難することにした。
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