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「お前、風邪引いたのか。」
寒さに震えながら、魔理沙は私に声をかけてくる。私がいつもと様子が違うことに気付いたのだろうか、問いかける声には心配の色が混じっている。
「ええ、今はまだマシだけど。」
「じゃあ、まだ治ってないって事だよな。」
「そうなるわね。…って、あんたこそどうしたのよ。まだ宴会をやってる時間でしょう?」
私が一番気になっていたことを聞く。いつもの宴会でもこんな時間には終わらない。終わる頃には確実に日付が変わっているから。
規模が大きいものなら尚更だ。長ければ朝まで続く事だってあるのだから。
でも今は日付が変わるまでまだ一刻ある。今回の幹事は魔理沙ではないらしいが、魔理沙がこんな時間に抜けることなんて今まで一度も無かった。
「宴会はまだやってるぜ。お前が来なかったから心配してきたんだよ。」
「…え。」
「だって、お前楽しみにしてたじゃないか。それなのに来ないから…。」
「…私の事心配してくれたの?」
「? ああ、そうだよ。」
私は、魔理沙が私の事を心配してくれた事に驚いた。
それ以上に、嬉しかった。
「…ありがとう。」
「どういたしまして。…取り敢えず、もう一回寝た方が良いんじゃないか?」
「そうね、そうさせてもらうわ。」
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