一足遅いプレゼント

7/16
前へ
/18ページ
次へ
「んー。」 起きて、大きく伸びをする。昨日より大分体が楽になっていた。 熱は完全に引いたようだ。全身の倦怠感と喉の痛みもましになっていた。 「おっ、起きたか。」 魔理沙がドアからひょいと顔を出す。私が寝ている間ずっと起きていたのだろうか、少し眠たそうに見えた。 「調子どうだ?」 「昨日より大分ましよ。少し体がだるいくらいかしらね。もう起き上がっても平気だわ。」 「そうか、そりゃ良かった。今からお茶淹れようと思ったんだが、飲むか?」 「そうね、頂こうかしら。」 ベッドから起き上がって、隣の部屋へと移動する。 (そうだ。) 私は思い出したように、引き出しに仕舞ってあった人形を取り出して、そっと隠すように持つ。 魔理沙の為に作った、魔理沙の人形。 機会を見計らって渡そう。 椅子に座り、テキパキと準備をしている魔理沙を眺める。 魔理沙はお茶を淹れるのが上手だ。流石に紅魔館のメイド長には敵わないが、普通の人と比べたら十分過ぎるほどだと思う。 そのあたり、流石は元お嬢様なだけはあると思う。その事に触れられたくはないだろうけど。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加