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「んー。」
起きて、大きく伸びをする。昨日より大分体が楽になっていた。
熱は完全に引いたようだ。全身の倦怠感と喉の痛みもましになっていた。
「おっ、起きたか。」
魔理沙がドアからひょいと顔を出す。私が寝ている間ずっと起きていたのだろうか、少し眠たそうに見えた。
「調子どうだ?」
「昨日より大分ましよ。少し体がだるいくらいかしらね。もう起き上がっても平気だわ。」
「そうか、そりゃ良かった。今からお茶淹れようと思ったんだが、飲むか?」
「そうね、頂こうかしら。」
ベッドから起き上がって、隣の部屋へと移動する。
(そうだ。)
私は思い出したように、引き出しに仕舞ってあった人形を取り出して、そっと隠すように持つ。
魔理沙の為に作った、魔理沙の人形。
機会を見計らって渡そう。
椅子に座り、テキパキと準備をしている魔理沙を眺める。
魔理沙はお茶を淹れるのが上手だ。流石に紅魔館のメイド長には敵わないが、普通の人と比べたら十分過ぎるほどだと思う。
そのあたり、流石は元お嬢様なだけはあると思う。その事に触れられたくはないだろうけど。
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