第二章

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「誰ですか?」 何言ってんだとか頭の中で自分に突っ込む。 「助けてくれたんですか?それとも…」 前の質問の答えを聴かず次の質問を投げかける。 頭の中では逃走命令が出ていたが体が言うことを聞かなかった。 「殺そうとした?」 ならばこんな風にガラスを浮かせて守ったりしない。 浮かせたり…。 浮く? 頭の中の命令がサイレンに変わった。 「まさか!怪人 「人間は!」 黒づくめの人は俺の言葉を遮って言った。 「真に恐怖を感じると無駄口が多くなる、本当だな」 その声は少し高めの女性の声だった。 よく見れば背は俺より小さい。 「う…あ…」 自分でも何を言おうとしているのか分からない。 だけど言わないと正気を保っていられないそんな気がした。 「そこ、どかないと。ガラスが刺さるよ?」 そういうとスクーターごと俺をつき飛ばした。 待て、俺だけならともかくスクーターも? すると彼女は俺をつき飛ばした方向とは反対方向に歩きだした。 「プロテクトウォール、オフ」 そういうと宙に浮いていたガラスは一気に地面に当たって砕けた。 「ねぇ、君」 俺は体をビクッとさせ裏返った声で返事をした。 「今から君が生きる事だけを考えて。私、守りながら戦うの苦手なんだ。いい?絶対に逃げて」 そういうと彼女は高く飛び上がった。image=217720963.jpg
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