第二章

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深緑の林に赤黒い血と内臓が飛び散る。 返り血が俺の顔にまでかかってきた。 「ヤバいな」 自分の腹にあいた穴を見て彼女は言う。 口と鼻からは血をゴボゴボ出ている。 「オイ!!しゃべるな!!すぐに…」 そこまで言った所で「君がしゃべるな」と血を吐きかけられながら言われた。 「救急車は呼ばないで。警察にも知らせないで。逆らった場合は君を殺すわ」 彼女はそう言って睨みつけられた。 ヤバい直視出来ない。 この光景はあまりにもグロ過ぎる。 俺は彼女から視線を離した。 「こっちを向いて。やって欲しい事がある」 「何をだ?」 返事はしたが視線は逸らしたままだ。 「術よ」 「俺は素人だ。無理を言うな。とにかく救急車を」 「違う」 彼女は携帯を取り出した俺の手首を冷たい小さな手で掴んだ。 「魔術よ」 バカな…。image=218118183.jpg
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