第三章

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「大丈夫。素人でも簡単にできるから」 彼女は苦しそうに言った。 「バカな事言うな。お前自分が今どんな状況か分かってるのか?」 俺は傷口に響かないように言った。 「君はあれだけの魔法を見てきてまだ信じられない?」 彼女は生気を失いかけてる顔で微笑んだ。 確かに魔法といえるような現象を彼女たちが使っているのを見ていた。 しかし、それは彼女たちに出来た事であって俺には出来ないかもしれない。 「大丈夫。素人でも簡単にできるから」 彼女の言葉を信じていいのか? 「ねえ、お願い」 彼女の発言が俺の決意を後押しした。 「分かった。失敗しても恨むなよ」 俺はそう言うと黒い棒を拾い上げた。
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