第三章

3/8
前へ
/89ページ
次へ
「とりあえず、出てしまった…物、集めて」 いきなり無茶なことを言う。 「物、てお前の内臓か?」 「そう。大丈夫、私痛覚ないから」 「そうじゃない。そうじゃないけど…」 触りたくない、そう思った。 「人の内臓は気持ち悪くて触りたくない。でしょ?」 俺はゆっくりと頷いた。 「でも、それをしてもらわないと何も出来ない。私は今の爆発で四肢が動かない」 口に血がたまってボコボコと鳴る。 「それに、あと数分で血がなくなるから急いで」 そう言われ俺焦った。 「分かった。やるよ」 もうどうにでもなれと思いながら彼女の内臓を拾い始めた。 この寒さの為内臓は熱を失い冷たくなっていた。 俺は手を赤く染めながら彼女の内臓を拾い集めた。 「そう、そしたらそれを私の上に置いて」 俺はそっと彼女の胸部に置く。 内臓はドチャッと音をたてた。
/89ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加