第三章

5/8
前へ
/89ページ
次へ
「タイム」 彼女のまわりから例の輪が出てきた。 「ゲットバック」 そう言うとすっぽり彼女を覆っていた青白い光の箱は激しい光を出した。 深緑の林から光が漏れる。 さっきくらった閃光弾よりもまぶしい。 光がやむと彼女の体はしっかりと戻っていた。 彼女はむくりと立ち上がり食道や鼻にたまっている血を吐き出しコートの袖で口元をがしがしと拭いた。 「ふう」 それが彼女の第一声だった。 俺は呆然とした。
/89ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加