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「君は運悪く私とアイツが戦っていたB区を通りかかった」
頭の中のモヤモヤが一気に晴れる。
「だから死ぬ思いをしたのか…。でもどんな理由で戦っていたんだ?勿論正当防衛だろうけど」
彼女は少し黙ったあとぼそりと答える。
「あそこで起こった怪事件よ。魔法を使った痕跡があったから色々と調べたわ。すると死体に関連性があって次に狙われる人が分かったの」
「ちょっとまて。どうやって分かったんだ?二番目の死体は消し炭だし三番目はミイラだ」
普通は分かるはずがない。
「さっき私が使った魔法を使ったの。からだが元に戻る奴」
「ああ、じゃあ死体はキレイに戻ったのか?」
「ううん、正確には死体の時間を戻してるの。だからそこにない体の一部はないまま。焼死体も殆ど皮膚がなかったわ」
頭の中で鮮明にそれを想像して、気持ち悪くなった。
それを見た彼女は「続けるわよ?」と確認した。
「その関連性、て言うのがみんなCyberの社員なの」
「Cyber!?」
Cyberは大手電気メーカー企業だ。
医療、交通、娯楽などなど生活に関わる機器の大半はCyber製品である。
「なんでだ?Cyberの社員が殺されるんだ」
「分からない。どれも部門はバラバラ。だけどすべてB区で起こってるからCyberのビルで待機してたの。そしたらアイツがまた社員を襲ったから」
「守りに行ったのか」
「うん、でも…」
それから彼女は口を閉ざした。
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