序章

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 エルアーク。それは“救いの箱舟”という名を冠した、空を往く船である。  世界の源であった“雫”の力の枯渇に端を発した“大崩壊”。それまでの人々の生活を維持していた力の消滅と、力に支えられて存在していた全ての大地の沈没。エルアークは、その滅びから逃れる為に生み出された無数の手段のうちの一つだった。  エルアークが齎した救いとは、“本”というカタチを用いた新たなる世界の構築。  船の中に蔵された特殊な書物は、それぞれ一つの“世界”を内包していた。人々はその世界の中へと入り込むことで、現実世界に訪れた滅びと、それによる死を逃れようとしたのだ。  そして“大崩壊”から長い年月を経て、今。  とある城の一室で眼を覚ました主人公は、そこで黒色のドレスを纏った金髪の少女と出会う。  置かれた状況が理解できず──それ以前に、自分に関するあらゆる事が思い出せず混乱する主人公へ、ツヴァイと名乗った少女は一分の隙も無い笑顔を浮かべて告げる。 「ここは箱舟。数多の世界を内に収めた命の揺り篭。貴方には、これから自分が生きるに値する世界を探していただきます」  ──これが、全ての始まり。  世界と世界を旅する、終わり無い冒険の始まりを告げる鐘の音だった。 ※公式ストーリーより抜粋
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