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その夜、部屋に2人分の夕食が運ばれてきた。
山の幸がほとんどで、京都ならではの豆腐や湯葉を贅沢に使った料理が主だった。
柊一と夏樹は向かい合わせに座って食事をしていた。
夏樹は黙々と食べていたが、柊一は少しずつ食べていた。
先程の温泉での平手打ちを受けて、頬が痛い。
柊一の頬は、綺麗な紅葉が赤く綺麗に残っている。
痛々しい感じだ…。
柊「痛っ!!」
夏「覗くからでしょ」
柊「なっ…!混浴だなんて知らなかったんだよ!!」
夏「私だって知らなかったわよ。大体、こっちに来ることがおかしいのよ」
柊「“気”を感じたからだよっ!!」
夏「あれは私よ。明日の為に“気”を高めておこうと思って…。あれぐらいの“気”は察知出来るのに、鎮魂が下手だなんて…」
柊「うっ…」
図星だったが、空気を変えようと話題を話題を振った。
柊「あ、明日鎮魂するんだろ?僕も―」
夏「結構」
手伝うと言いかけたが、あっさり断られてしまった。
夏「鎮魂が下手な人に何が出来るの?」
さすがに我慢出来なくなり、柊一は席を立ち、部屋から出ていってしまった。
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