さまよう姫君と襲う鎧

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エ「先日は、うちの下の者がお世話になりました」 雅「いえ、礼をいうのはこちらの方です。大変お世話になりました」 エ「まぁ☆」 お互いが改まった挨拶をしていた。 エ「つまらない物ですが、どうぞ」 雅「いやぁ、わざわざどうも」 エリ子が差し出したのは、綺麗に包装紙で包まれた30㎝くらいの箱だ。 包装紙には『○○店カステラ』と書かれていた。 雅「わざわざすいません」 エ「いえ…ところで、何かと忙しそうですね」 雅「人手が足りないもので…」 エ「よかったら『ウチ』から助っ人を呼びましょうか?」 雅「いいんですか?」 エ「ええ、構いませんよ。飛鳥井くんには、彼がお似合いですし…私から言ってみますので」 雅「それじゃあ、“彼女”も呼びましょうか。彼も力は優れてますが、彼女の方が柊一より鎮魂能力が優れてますから」 エ「そうしましょう」 雅行は電話の受話器を取り、番号を押した。 雅「もしもし、多能です」 電話の相手は、雅行とエリ子しか知らない人だった。  
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