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翌日の夜、柊一は再び城に入った。
今度は1人ではなく、2人で。
柊「ったく、なんで助っ人がお前なんだよ!!」
?「仕方ないだろ、上からの命令だから」
柊一の隣にいるのは、20代後半で、背は高く、ラテン系のような日本人離れしている美男子だった。
彼―有田克也は、御霊部の人間ではなく、エリ子と同じヤミブンに所属している。
柊「雅行は何考えてんだ!!」
柊一は1人でブツブツ文句を言いながら、城の中を進んでいった。
柊「とにかく、お前はあくまでも僕の助っ人なんだからな!!勝手なマネはするなよ!!」
克「はいはいはい」
柊「『はい』は1回っ!!」
会話がまるで子供のようだった…。
1階の展示コーナーに辿り着いた柊一は、克也に言った。
柊「いいか、お前はここで鎧を見張ってろ。見てるだけじゃだめだぞ。ここから1歩も出さないようにするんだぞ!」
克「はいはいはい」
柊一の怒りが爆発しそうになったが、すぐに収まった。
柊「そろそろだ」
柊一は自分の腕時計を見て時間を確認した。
そして…昨日と同じ気配を感じた。
柊「来たっ!!」
何処からか、悲しい唄が聞こえてくる。
しかし、柊一は何処かすぐに分かった。
柊「上かっ!?」
柊一は階段を勢いよく登っていった。
柊「ハァ…ハァ…あれ?」
いくら階段を登っても、2階に辿り着かない。
こんなに階段あったかと考えていたが、その考えが途切れた。
城の霊とは違う、別の歌声が聞こえてきた。
柊一はやっと階段を登りきった。
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