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その翌日、柊一は御霊部の事務所に帰ってきた。
そして雅行に、姫の霊と鎧武者の関係を聞いた。
あの城の姫は、1人の家臣…昨日襲ってきた鎧武者と恋におちてしまった。
それを知った殿は、家臣を殺してしまい、姫は嫁に行かされてしまったという…なんとも悲しい話だった。
柊「ほら、お土産だ」
柊一は雅行にお土産を渡した。
雅「おっ、ありがと」
柊一が買ったお土産は…城の置物だった。
やけに気に入ったのか、雅行は文句1つも言わなかった。
柊「あ、そうだ。雅行、ちょっと聞きたいことがあるんだけど…」
雅「なんだ?」
雅行はお土産を見つめながら答えた。
柊「ヤミブンの他に、助っ人呼んだか?しかも女―」
雅「あぁ、呼んだよ」
雅行はあっさりと答えたので、柊一はガクッと転びそうになった。
柊「なんで!?」
雅「お前らだったら、何でも壊してしまいそうだったし。ま、案の定鎧を丸焦げにしてくれたけどな」
柊「だからって―」
雅「それに…お前より鎮魂能力が上だ」
柊一の言葉を遮って、雅行が言った。
柊(僕より鎮魂能力が上?冗談じゃない!!)
柊一は怒り爆発寸前だった。
雅「まぁまぁ、そんなに怒るなよ」
雅行がそう言った時、ドアの向こう側からノック音が聞こえてきた。
雅「どうぞ」
雅行が1言返事を返すと、ドアは開いた。
?「失礼します」
入ってきたのは、女子高生だった。
肩から腰の間まで亜麻色の髪が長く、サラサラしている。
学校帰りなのか、制服を着ていた。
?「こんにちは、多能さん」
雅「やぁ、夏樹ちゃん」
2人が挨拶しているのを見て、柊一は口を開けて呆然と見ていた。
夏「籠目さんは?」
雅「部長はもう帰ったよ。5時になったら帰る人だからね」
夏「そうでしたね」
柊「お、おい雅行…」
雅「あぁ、この子だよ、昨日の助っ人」
柊「えぇっ!?」
柊一は驚きを隠せなかった。
昨日、姫に話しかけていた謎の女性と、まさかここで会うと思わなかったから…。
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