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根がある。 砂に埋もれて落ちたそこ。 上の方は木の根がみっちりと生えており、さらさらと砂が落ちてくる。 よく見ると5メートルほどの深さを落ちてきたらしく、オレの左腕は太い木の根に挟まれて動けなかった。 周りは上の方と同じく木の根が足をのばしており、恐ろしいほどに複雑にからみあっていた。 やばい…。 脱出不能っ!!! 「アリウスー!!!」 「キャロルさん!??」 上にいるそいつを呼んで、しまった!と思った。 ざらざら!! 穴の側に近寄ってきたアリウスが木の根の間から砂を落としてきやがった。 ぺっぺっ。 「こらっ、上に立つな!うごくなー!」 「すいませんー!しばらく目をつぶっていて下さいー!」 ぱらぱらぱら… 「わぷっ。いいっ、助けなくていいから砂おとすんじゃねぇっ!!」 「す、すいませんー!!でもそんなわけにはいきませんー!!」 あぁ、なんて頭悪い会話なんだ…。 ちょっと要領のつかめない会話のやりとりに頭痛がしつつ、どうしたもんかと考えていたら、 急に砂の落ちてくるのが激しくなった。 えっ? 「お前、何してる!?」 「今そっちにいきます~!」 「ばかっ、砂おとすなっていっただろ!」 「何かいいましたかー!??」 どさどさどさ…。 あぁ……。 オレは、降りてくる刺激で根の間につまった砂がさんざん降ってくるのを、じっとまってるしかなかった。 と、 ずり。 体がずれた。 「アリウス止まって!あんまり揺らしたらオレ落ちる!」 ずり。 挟まっていた左腕が、アリウスが落ちてくる重さでゆがんで外れかけた。 オレの足の下は、さらに暗闇が広がっていた。 根にはさまって宙ぶらりん。 またゆれた。 しめた、腕がはずれたぞ!! オレは両手をつかって根を握り、足を動かした。 しかし根にごっそりと砂がくっついていたらしく、 オレは勢いよく手を滑らせたのである。 「ゅわー~ーー~~!!!!11!」 っく… あわてて体を捻って体制を立て直し、そのまま着地にそなえた。
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