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短い落下だったが何とか着地はうまくいったが、どうも手を滑らせたことで自己嫌悪。
あぁ、自分の馬鹿っ!しかも着地の衝撃で足痛っ!
オレの横にふわりっとアリウスが着地してきた。
えっ…
あの高いところから。
意外な身体能力にちょっと驚いた。
彼は、力が無い、と言っていた。
精霊は図れないから怖い。
その力の源は、この星、そしてこの宇宙なのだから。
星の纏う魂の結晶。
星を作る元素。
ふと、その顔を見てぎょっとした。
人のものではない。
黒い影に、歪にしわが浮き上がり、それはまるで悪魔のように…。
こちらを凝視している!?
…いや?よくみれば何も変わりは無い。
今見たのは何だったんだ?
「キャロルさん、こんな所まで落ちてきて…。しょうがない人ですねぇ。」
「ちょっと手がすべったんだよお。足痛くって本当に…」
「なら少し休みますか。ここに長くはいたくないですが。」
得体の知れない地下へようこそ…ってな。
心の中でつぶやいた。
確かに長居はしたくないが無駄に歩くこともない。
ここは休んで様子を見るべきだろう。
上に上がれないかもしれない。
上がれなくなると、この地下で干乾びてしまうことになる。
オレは真っ暗な目の前の空間を眺めた。上にはかなり根が茂っているようにみえる。
わずかな光だけが見えるのから察すると、地上から10メートルほど落ちてきたのではないか。
きらきらと、それはそれは綺麗な太陽が薄暗く地下を照らす。
手が届くところに根が張ってないのが痛いな…。
オレの横にアリウスがよっこいしょ、と声を出して座る。
お前は老人か。
こっそり胸の中で突っ込んでいると、そのままそこで寝始めた。
「え、休むって、そういう意味!?」
「はい。実は僕はかなり体力の限界です。」
「はぁ!?むしろオレの方が…あぁ、なんつうか……
こら、一人で寝るな!寂しいだろ!」
アリウスのわき腹をぐりぐり蹴る。
「寝ます。ぐぅ…。」
「マジで!?」
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