水滴

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なんだかとても夢心地で…暖かな光りで眩しくて……それで…… オレはゆるいゆるい光りに包まれながら意識が朦朧としていた。 ………はぁ、なんだ?とてつもなく息苦しい…… 苦しい………? 苦しい!!! 「げほっ!!!げぇ!!」 溺れてどうなったかわからずとにかく体の中から盛大に水を吐いたオレ。肺が空気を求めて大きく咳込み、ややしばらく一人でもがいていた。 ふとその時、自分の隣に誰かいるのに気が付いた。 あぁ、もしかしてさっきの……棺桶の中身…? ちらりとそいつを見つつ、口からつたう水を手のこうで拭う。 透き通った水のような肌。空の色と海の色をそのまま映したかのような色の頭髪を肩ほどに延ばし、大きくしっかりとした若さの見える硝子色の瞳。厚ぼったい白いコート。 まるで完璧な彫刻を刻むかのようなその顔の造形は、どこか人間離れしているように見えた。 そいつは何も言わずにオレを見る。何だか妙に安心したような顔で口元をほころばせた。 と、2、3秒の間をあけてそいつは口を開いた。 「先ずは、大丈夫でしたか? そして、僕を開放してくれてありがとうございます。」 その男は、オレの横に片膝で座ってじっと目を閉じ頭を下げた。 「あなたは危ない所でしたよ。あの水流によく耐えましたね。」 話しの水流…の所で思わず自分の腕をさする。ざらざらした手触りがあったが撫でるごとに消えていく。 「なんも。ちょっとした興味があったからさ…。 オレはキャロル。ただの通り掛かり…」 ……。 ふとそいつはキョトンとした顔でこちらのを見る。 「………オレ?」 「…うん?」 何故かそいつはオレ?とかぶつぶつ口の中で繰り返す。 「あなたは…… 男の子なんですか…?」 ずげしっ 「何処がー!?」 なんか屈んでたそいつの鳩尾に横になった体制のままうまいぐあいに膝が入った。たしかにグラマーとはいえない少年体型だけど!このいかにも愛らしい少女をさして男の子はないぞ!ぷりぷり かるくうめきつつ膝の上に倒れ込むそいつを避けるため、その場でよっと起き上がる。
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