557人が本棚に入れています
本棚に追加
/48ページ
だから噛み付いてやっただけだ。
笛吹いてるみたいで可笑しかったな。
だから俺は悪くない。
あんなとこ行きたくない。
俺は俺のやりたいように、今までもこれからも、やっていきたいんだ。
でも、そんなのは叶わない。解ってる。国ってのは強いんだって事。
喉を喰いちぎった奴。
結果的にそいつは死んだ。
俺が知っても知らなくても、それは変わらない。
俺は殺人者だ。
だから行かなきゃいけない。行きたくなくても、連れてかれる。
腐った臭いに薄ら笑いを浮かべた、ゴミ以下のゲス共。そんな奴等がいる檻の中。
気分が悪くなっても、介抱してくれるお人好しなんて、きっといない。
そんなとこ。
………もう、いい。
考えるのも面倒だ。
きっと其処より最低なとこなんて、無いだろう。
きっと、今までと変わらない。そう思おう。
自分達が上等だと思ってる、頭のイカれたニンゲン達。
小さな箱庭に収まって、それに疑問さえ感じない。国に飼われて、へらへら笑ってるニンゲン達。
ゼロナンバーをニンゲンとは思わないニンゲン達。
少なくとも、此処よりはマシになるかな?
元々、番号ついてる奴でも、其処に連れてかれれば、番号は取り上げられる。
それは、ニンゲンだとは認識されないという事。
そんな奴等ばかりがいる場所。
今までの俺がいた世界よりも、狭くなるのが嫌だけど、いつも通りでいよう。
苛つけば殴ればいいし、腹が減ればそこら辺のを喰えばいい。
でも。
下の奴等は、筋張ってて不味そうだな。
最初のコメントを投稿しよう!