動物園

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汚い。臭い。汚臭にまみれ、血なまぐさい。こんなとこに居られるこいつ等は、本気で頭イっちゃってんじゃないか? 俺の鼻もバカになりそうだ。 ジロジロ見られ、あまり気分の良いもんじゃない。 ぶくぶくと、腹だけはご立派なブタ。 その反対で、ガリガリの骸骨みたいな奴。 皮だけというよりも、その皮膚さえ剥がされて、人体模型の様な… 眼がイってる。見るのは止そう。 筋骨隆々な奴。 指や腕がない奴。 見た目には無害そうな奴。 みるからに何かやらかしてそうな奴。 成る程ね。 中央が動物園扱いするのもわかる。 十人十色とはよく言ったもんだ。ぴったし。 「さっさと歩け!」 後ろの奴が、ドカッと俺の背中を蹴る。 足跡付いたんじゃね? 腹っ立つなあ…マジぶっ殺してえ。 でも、枷をはめられ、銃を突き付けられた状態の俺。 抵抗出来ねえ。クソッタレ。 銃はともかく、非力ではないけど、枷を着けた状態で動くのは、正直しんどい。 今、正に疲れてるし。早く休みてえし。 俺は今だ四方を囲まれたまま、ダルくなった足を踏み出す。 出入口はあの、鉄の扉だけ。 鉄格子に容れられているわけじゃない、動物達。 広いこの檻の中で、ひしめきあっている。 動物愛護の精神? だったら、外に出せよ。 「なんだ、なんだ?新入りかよ!」 一人の男がそう言うと、あちこちから声が沸いて出る。 う~わ。悪人面だわ。 大きなギョロっとした眼。唇には、ごっそり肉が抉られたような傷跡。 ついでに、ちょろッパゲ。 見た目ウザいそのおっさんは、俺の目の前にやって来る。 「パーシー、面倒は起こすなよ」 それだけ言うと、さっさと出て行こうとする中央四人組。 面倒起こしそうなおっさんを前に、それは無いんじゃね? 一つわかった事は、このおっさんの名前は、パーシーというらしい。
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