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「バカやろうが!! お前はコピーの一つも満足に取る事が出来ねえのか!!」
──昨日の事だ。
上司から私に向けて放たれた“カミナリミサイル”は、寸分違わずに私へと命中した。
毎度の事。毎度の事すぎて欠伸の一つだってそりゃ出るよ。
「はっ、ニコニコして“麗しの笑顔様”さえ振りまいてりゃ優しくされるとでも思ってんだろ」
睨んだら、それはそれでお前キレるだろ?
「まぁったく。何を思ってこんな無能女を雇うかね、うちの会社もさ?」
知らねえよ。
そんなのは人事に聞いとくれ。
……現状。
不満は数多ある。
ありすぎて、なんなら一冊のエッセイを書く事だって容易に出来そうだよ。
でも。
ガッチョン
飽きもせず、次の日の朝。
昨日と全く同じ時間に、タイムカードを押して出社している自分が居る。
「……なんだかんだで」
私は“仕事”というヤツを愛しているのかもしれないな。
それは、まあ。
酷く、激しく、かつ醜く。
そして更に、歪んだ愛の形なのかもしれないけどさ。
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