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「暑いよっ! にっぽんって暑い!!」
平成20年、8月8日、暑い夏の日に。
私は死にました。
享年17才。やりたい事は、まだまだたくさんありました。
「ねえねえ人間。あ、名前は五十嵐佐知子ちゃんだったっけ。なんでもいいんだけどさぁ? この国の夏っていうのはどうしてこんなに暑いのかのう……? たまらんよ。わたしゃたまらんよ」
うるさいな。
今、死んだ後の絶望と混乱に浸ろうとしてるんでしょうよ。
空気読んで少し口を閉ざしなさいよ。
……ああ。隣で(さっきからずっと)暑い暑いとうるさいのは、でっかい翼を生やした自称天使の方です。
バッサ!!
死んだ私の御霊を引き取りに来たとかで、さっきからずっと私の横で──
バッサバッサ!!
横で……
バッサバッサバッサ!!!!
るっさいよ!
翼を団扇代わりにして自分を扇いでるんじゃない!
「おっとぉ、お咎め無しでお願いしますよ~? なぜならぁ~……」
“音”だけにってか?
お前、ほんとにぶっ飛ばすぞ?
……お後がよろしいようで。
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