あの夏

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俺は慌てて水と濡れたタオルを持ってきた。 「ハイ」 そっと金網の間から手渡した時、俺はふと思った。 こいつの名前知らないなぁ 「ありがとう」 初めて触れた彼女の手は細かった。 あんなに普段元気だけど、 実は結構華奢だと今ごろ気付いた。 「でもお前もガキじゃねんだから日射病なんかになるなよ」 ふざけてみる 「うっさい……」 彼女は小さな声で言った。 弱ってる…   
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