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精霊祭は一年に一度行なわれるこの村特有の行事なのである。
古くからの言い伝えで精霊を崇める者は一生幸せに過ごせるというものがあり、村民はこれを信じて毎年一回精霊祭を行う。
今日がその日なのだ。
少年は村長の話に聞き入っていた。
「おーい!レン!」
『レン』とは少年の名前。
レンを呼んだのは友人であるケイであった。
レ「どうしたの?」
レンはケイの焦った様子を見て不思議そうに返事をした。
ケ「今年、お前の番なんだろ?」
レ「な、何が?」
ケ「精霊の試練を受けるのはお前だってよ!村長の話ちゃんと聞いてたか?」
レ「聞いてたつもりだけど‥」
精霊の試練は一年に一人の村民が選出され、精霊祭を行う上で必要となる精霊草を村の裏山に採りに行くというものである。
あくまでも言い伝えなのだが、その試練を乗りきったものは精霊の力を得る事が出来るという。
だが毎年行なわれるのだが選ばれた者は至って特別な事が起きないまま日々を過ごしている。
レ「精霊の試練、迷信だろ?」
ケ「でも選ばれたんだぜ!?お前すげえよ?」
ケイはやたらとテンションが上がっている。
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