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流宇が安堵していると、リヒトは突然、流宇を抱き寄せた。
「な、なに!?」
「流宇、だから・・・ね?」
とろけそうな艶っぽい笑みを浮かべて抱きしめられ、流宇は赤面した。
ね?って・・・・。
リヒトは流宇の真っ赤に染まった耳たぶをぺろりとなめ上げて、右手を流宇のシャツの中に忍ばせた。
「流宇、いい匂いがするね。大丈夫、今夜交われば・・・きっと子供ができるよ。」
笑顔でそういう、リヒトの言葉に流宇ははたと我に返った。
どんなにハードな生活を送ろうとも、流宇の月経周期はぴったり28日。
前回の月経がちょうど2週間前。
そして、流宇の基礎体温が確かならば・・・今日は流宇の排卵日だった。
なぜ、リヒトが流宇の排卵日を知っているのかはさておき、このまま交わるわけには行かない。
相手がキラキラ王子だろうと、自分がたとえ処女だろうと、おめおめとこのままエッチするわけにはいかないのだ。
「やめろっ!!」
バキ!!
瞬殺というべきか、思わず放った右フックがリヒトの頬に炸裂した。
リヒトはその衝撃に思わず流宇から手を離し、痛みにうずくまった。
はぁはぁと肩で息をしながら立ち上がると、流宇はリヒトにびしっと指差した。
「あのねぇ!リヒト!!明らかに未成年のあんたとやっちゃったら、こっちは淫行でつかまっちゃうの!!新聞の見出しは『33才女性産婦人科医、未成年と淫行し逮捕』よ!!」
一気にまくし立てた流宇を呆然としたように見上げるリヒト。
一瞬、やりすぎたかと思った流宇は自分を見上げたまま動かないリヒトの前にしゃがみこんだ。
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