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ドスン!!
「い・・・・たたたた。」
腰に走った衝撃で彼女―――羽鳥流宇は目を覚ました。
ベッドから落ちて、強かに腰を打ってしまった。
時計を見ると、午前12時をまわったところ。
まだ、3時間しか寝ていないじゃないか。
流宇は、長いストレートの髪をガシガシと掻いた。
「一体何の音!?」
トントンと2階に駆け上がり、自室のドアを開けたのは下で休憩を取っていたらしき母の姿。
「ベッドから落ちただけ。」
夕べは立て続けにお産が2件も入って、流宇は疲労困憊なのだった。
寝起きのしゃがれた声で言うと、母は「屠殺前の牛みたいな声ねぇ」と呟いた。
屠殺前の牛って・・・見たことあるのか!?
という、ツッコミをする気にもなれず・・・流宇はおずおずとベッドにもどった。
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