ホシの王子サマ

夢見る少女じゃいられない

ここは羽鳥レディースクリニック。
在籍している医師は２名。
院長の羽鳥陽子・・・先ほど屠殺前の牛のようとのたまった流宇の母である。
そして副院長の羽鳥流宇。
ここは産婦人科医の親子と数名の看護師で運営されているしがない産婦人科だ。
扱うのは女性特有の疾患から妊娠・出産まで。
数少なくなった出産できる医院は地域密着型の医院として周囲からの評判もそこそこだった。
３５年のキャリアを誇る陽子の腕は確かで、親子２代で患者がかかってくるのも珍しくはない。
先日も自分が取り上げた子供の赤ん坊をさらに取り上げたのだと陽子は誇らしげに話していた。