夢見る少女じゃいられない

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先ほど夢にでてきたキラキラ王子の事を思い出し、流宇は苦笑した。 きっと、疲れてるんだろう。 「ロマンチックなのは名前だけで十分だってば。」 ベッドの迎え側にある姿見には、ベッドの上で佇む自分の姿がうつっている。 女らしく見えるように腰の上まで伸ばした黒髪は、さっき掻いたせいでぼさぼさだった。 化粧っ気のない顔の目元には連日の激務でうっすらとクマが浮いていた。 髪が長くなったって女性らしさには程遠い。 自分の姿を見て浮かんだ言葉は「悲壮感」だった。 大きくため息をつくと、流宇は再び布団にもぐりこんだ。 寝られるうちに寝なければ。 体にまとわりつく疲労が、流宇を夢など見られないほどの深い眠りにいざなった。
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