【5ﾍﾟｰｼﾞ小説】～Present For You～

～X'masの意味～

街は鮮やかなイルミネーションに彩られ、デパートもクリスマスの準備に忙しい様子だ。

―私は今年も独り静かにクリスマスを過ごすんだな..。―

女性が２人、おそらく大学生だろう。

ジュエリーコーナーを仲良く歩いている。

『...な!玲奈ってば!ちゃんと聞いてる？』

『ん？何か言った？』

『もう!!玲奈はクリスマスどうすんのって聞いてるの。』

『今年も一人で過ごすよ。一人で過ごすのも気軽で良いよ。』

『ウソばっかり。寂しいくせに。まだ大切な人じゃないとダメとか何とか言ってんの？』

あっ!これ良くない!?と言って由香は足を止め、スタイリッシュなデザインのペアリングを指差した。

『うるさいなぁ。好きでも無い人とクリスマスを過ごすなんて嫌だもん！』

『玲奈を好きになる男は沢山いるのに、ズバズバ切り捨てるし..』

『クリスマスは本当に大切な人と過ごしたいって思うのは当然でしょ？由香はラブラブで良いですねー!』

嫌味たっぷりに玲奈は言った。

『嫉妬はやめてくださる？ハハハ。玲奈の言ってる事も分かるけどさぁ..。』

やっぱりこれにしよ。とさっき見た指輪を選んだ。

好きでも無い人と過ごすクリスマスなんてただの１日に過ぎない。

大切の人と一緒に過ごすクリスマスだからこそ聖夜と呼ばれるんだと玲奈は思っていた。