第一話:リースのランジェリーパニック!

7/10
前へ
/10ページ
次へ
「レ……レイム。やっぱり私、帰るわ。だ、だって私にはこんなの似合わないし……」 「何言ってんのよ! アル君を悩殺するんでしょ!」 「だ、だから私は……」 「なになに? なんか目当ての男がいるわけ?」 言い争うリースとレイムの間に、NIKKOがワクワクしたような面持ちで割ってはいる。 「そうなのよ。しかもライバルがいてね。その子はナイスバディで、しかも裸で彼に迫っていくような積極派なの。それなのにリースったら、いつまでもウジウジウジウジと……」 「まあ、それはそれは……」 レイムの話を聞いて、NIKKOがリースに向き直って諭すように言った。 「いいこと? リースちゃんはもっと自信を持たなきゃだめ。良質のランジェリーはね、時に裸よりも女の魅力を引き立たせるのよ。たとえスタイルで負けていても、それを活かせるランジェリー選びができれば、あなたのコンプレックスは武器へと変わるわ。ねえ、私に任せてみない?」 「コンプレックスが武器に……」 リースは自らの胸を見つめて呟いた。 今まで、忌むべき存在としてしか考えられなかった自身の小振りな胸が、輝くばかりの魅力に変わる。 それはリースにとって、心躍る話であった。 「わ、分かりました。お願いします! 私に合うランジェリーを選んで下さい!」 リースの決意に満ちた言葉に、NIKKOがにっこりと笑って頷いた。 「よく決意したわね。じゃあ最高のランジェリーを選んであげる」 「は、はい!」 リースの期待に満ちた瞳を背に、NIKKOが店の奥をガサゴソと漁り始める。 「えーと、確かこのあたりにスクール水着が……」 「ちょっと待って。それ絶対おかしい」
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1463人が本棚に入れています
本棚に追加