プロローグ

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 目が覚めた俺を迎えてくれたのは彼女の笑顔ではなく、暗闇のなか薄らとみえるグラビア女優の顔。 暗すぎて笑っているのかも分からなかった。  夢から覚めた虚しさのなか、今でも俺の耳に響き続けている彼女の声、言葉。 それは夢のなかだからこそ感じることができる小さな幸せの余韻であった。      朝食をとるために食堂へとむかう。 途中出会う上司や後輩たちと挨拶を交わし、食堂へとたどり着く。 そして、飯を盛り、おかずを取り、お茶をつぎ、いつもの席へ着く。 そこはテレビの前、一番の席。 そこで朝のニュースを見ながら飯を食うのが俺の日課だ。   しかし、今日は余韻に浸りすぎて、ニュースの時間には間に合わなかった。 代わりにみるはめになったのは、星座占いである。  俺は占いが嫌いだ。占いなんて当たったためしがない。 今日だって俺の運勢のランキングは4位で、お告げのようなものは  『久しぶりに幼なじみと出会いそう!会話を楽しむと2人の間は急接近!』 などと、不可能なことをいってくる。  俺は船乗りだ。そして、今は出港中。そう、海のうえにいるのである。 確かに、今日入港予定ではあるので可能性がゼロというわけではない。
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