プロローグ

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しかし、入港は夜だ。 1日のうちのほとんどが海のうえなのだ。 今日という残りわずかな時間で幼なじみなんかと出会えるはずがない。  確かに、俺たちの地元は九州だが、俺は仕事で横須賀に、幼なじみは大学で横浜にいる。 偶然ではあるが、出会えない距離ではない。 しかし、バカな話である。 いくら距離がそんなに離れていないとはいえ、この広い世界でたった二人の人間が出会える可能性など、それこそ運命である。   そう思えば楽な話であった。 しかし、この日の俺は信じてみたかった。占いの可能性というものを、運命というものを。   夢を見たから・・。
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