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今夜7時、みなとみらい・・・。
時刻はとうに7時を過ぎている。
つまり、時間切れというやつだ。
しかし、俺は携帯をポケットに突っ込み、走りだした。
港の門をでてそばにいたタクシーに駆け込み、横須賀中央駅へとむかった。
今日はやけに信号に引っ掛かる。
そんななか、ポケットから携帯を取り出し彼女に遅すぎる返事を出した。
『必ずいく、待ってて』
それは実に簡略かつ、淡々としたもの。
信号待ちの苛立ちと焦りからちゃんとした文章が考えられなかった。
が、これが一番いい気もした。
駅につき、電車に飛び乗る。時刻はすでに8時半を過ぎた。
ここからどう頑張ってもみなとみらいまでは30分はかかる。
それでも、満員電車の人混みに右へ左へと押されるなか、ただ1分でも1秒でも早く着くことを願いつづけた。
今から行って間に合うのだろうか。
ただでさえ、今の今まで返事も返さなかった男を彼女は待っているのだろうか。不安はつのるばかりであった。
普段の俺ならお詫びのメールを入れて、次にあえる日を考えるだろう。
しかし、今こうして待っていてくれているのかも分からない彼女のもとへとむかっている。
それはなぜか・・・。夢のことも占いのこともある。
しかし、その答えはひとつだった。
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