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午前の授業も終わり、昼休みになると大翔が梨華を迎えにきていた。
（あれって大翔先輩だよね？）
（かっこいい～‥‥）
どこからともなくそんな黄色い声が聞こえるなか、大翔はおかまいなしに梨華をよんだ。
「梨華ぁ～おるか～？」
「あ！大翔！」
（彼女いるんだよね‥‥ショック）
（ねぇ～、でもお似合いだよね）
ひそひそ声ではあったが、その声を聞いて実は安心していた。
昔のこの二人への、いや、梨華への罵声はすさまじいものだったから。
大翔と梨華が付き合い始めたのは去年の秋ごろから。
普通、執行部員と付き合うことになると、他の執行部員ファンの生徒からのいじめがはじまる。結局、一週間もしないうちに別れてしまうことがほとんどだ。
この２人にもそういう時期があったが、２人で乗り切り、今は全校生徒公認のカップルになっている。
「心配なの？会長」
「‥‥もう心配いらないでしょ」
この二人がここまで幸せになれたのは伯のおかげでもあった。
口にはださないが、実はこの件に関しては伯に感謝している。
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