通学路

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キーンーコーンーカーンーコンーー♪♪ 今日、奈津子が転校生して来て初めての学校が 終わった。 『ふぁ~疲れた…』 田口が眠たそうな顔で 言った。 『何が、ふぁ~疲れた…だよ!お前、給食食べて5時間目からずっと寝てただろ』 田口は、よく5時間目の授業から寝るのだ。 お前は…学校に給食を 食べに来てるのか… 『寝てねぇよ…ちゃんと授業受けてたって! こう…目を細くしてよ』 よくこんな嘘がつける ものだ…お前は嘘つきのチャンピオンかよ… 『ふ~ん、そうなんだ…じゃ…その机のヨダレは なんだ!!』 俺も田口に騙されるほど甘い人間ではない。 『うっ!しまった!刑事さん、私は寝てました。 カツ丼食べさして下さい』 お前はいったい何を 言ってるんだ… 『なんで!お前にカツ丼食べさせないといけないんだよ!』 『寝てたって!認めただろ!カツ丼食わせろ~』 嘘ついてたの認めて カツ丼が食べれるんだったら…世界中が嘘つき ばかりになるぞ…… 『フフフ…』 俺と田口の話しを聞いていた奈津子が笑った。 『二人とも面白いね』 『ねぇ、奈津子ちゃんも思わない?普通カツ丼 食べさしてくれるよね』 こいつまだ言ってるよ… 『それに俺は刑事じゃねぇ!もう帰るぞ!』 まったく相手してられねぇよ…ふぅ~なんか疲れた…
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