隣りの席の彼女

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『ねぇねぇ、奈津子ちゃんって東京に住んでたんだよね?』 田口が転校生の奈津子に話しかけた。 『うん。そうだよ』 『東京の子なのに気取ってないね』 『何?それ?』 と奈津子は不思議そうな顔で聞いた。 『佐藤が言ってたんだ。東京の子は気取ってるって』 『バーーバカ!そんな事言ってねぇよ!』 俺は恥ずかしそうに顔を真っ赤にして言った。 『言ってたじゃん!』 『フフフ…』 奈津子が笑った。 『な…何を笑ってんだよ』 『だって、可笑しいじゃない。東京の子はみんな気取ってると思ってるんでしよう?』 と奈津子は聞いた。 『思ってねぇよ…』 『フフフ…佐藤君って 面白いね』 『面白くねぇよ』 『佐藤君とは仲良く出来そうだなぁ…』 『えっ!俺は?』 と田口が奈津子に聞いた。 『う~ん、どうかなぁ?それにまだ名前知らないし』 『俺、田口、よろしくね』 『うん。よろしくね。 佐藤君もよろしくね』 『うん…』 こうして奈津子とは直ぐに仲良くなった。
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