第壱章

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「レベルを七十以上……依頼成功率を八十%以上……?それってすぐになれるのか?」 「無理ね。早い人で七年~十年、一生涯懸けても無理って人の方が多いわ」 セラフの耳に届いたレンの言葉は衝撃的だった。早くても七年後、下手したら一生モナに会いに行けないと言われたのだ。 「ほ、他には!!何かもっと早く蒼空の楽園に戻れる方法はないのか!?」 セラフの剣幕に驚きレンは後ろに下がろうとするが、レンの背後にあるのは開け放たれた窓。レンは外に放り出されそうになる身体を、とっさに窓枠を掴み事なきを得ると安堵の息を吐く。 「何なのよ突然!!ビックリしてもう少しで落ちるとこだったじゃない!!」 「ご、ごめんなさい」 レンは爪の伸びている人差し指でセラフの額に爪痕を付け、怒りを露わにする。そんな鬼や般若を彷彿とさせるレンの顔を見たセラフには『謝罪』というコマンドしか残されていなかった。 「ったく!!次から気をつけなさいよね!!」 「は、はい……」
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