第壱章

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自分で言いそうになった言葉にヘコまされながらレンは、皮袋から野菜を取り出して部屋から出て行く。 それから三十分程でレンがセラフのいる部屋へと戻ってくる。その手にはサラダとサンドイッチが乗せられており、それらをテーブルへと並べていく。 「セラフ。ご飯作ったから食べるわよ」 「ご飯!!……――何これ?」 セラフはテーブルに並べられた見た事もない食べ物に驚いている。だがレンはセラフの『何これ?』というセリフを『何だこの質素な料理は?』とバカにされたと思い、怒りを露わにする。 「悪かったわね!!嫌なら食べなくてもいいのよ!!ってか食べるな!!」 何故レンが怒り出したのか理解できないセラフだが、このままではご飯が食べられないという事は理解した。そしてレンのセリフから何に対して怒っているのかを推理し始める。 (レンは俺の『何これ?』って言葉で怒り始めたよな?そしてレンのセリフ……たぶんしっかりと意味が伝わってないんだよな?)
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