第壱章

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前にモナにも同じ様な事で怒られたのを思い出したセラフ。だが『しっかりと意味が伝わっていない』のではなく『言葉が足りない』という部分には気付けない。 「そういう意味で言ったんじゃないよ。俺は今まで紅茶とパン一つってご飯しか食べた事なかったからさ。こんなご飯がある事に驚いたんだ」 「はあ!?紅茶とパン一つって……どんな生活よ!?そんな食生活送ってれば私より軽――」 同じ過ちを繰り返しかけたレンは自己嫌悪に陥りうなだれる。そんなレンを不思議そうにみるセラフ。 「どうかしたのか?」 「何でもないわよ……セラフもたくさん食べなさい」 『そして早く私より重くなりなさい』と思ったが、それは心の中に留めておいた。セラフは首を傾げ、不思議そうな表情でレンを見ているが空腹には勝てず、床に座って食べ始める。 「……セラフ?それは何の冗談かしら?」 椅子があるにも関わらず床に座って食事をするセラフに軽蔑の眼差しを贈呈しているレン。
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